私は会社で新人教育を任せているのですが今まで十数人の新人教育をしてました(勤続12年目)。正直に失敗の連続でした。一人前になるまで時間が掛かったり、新人が諦めて職場が変わったり、成功していた教育方法が別の新人には全くダメだったりと悪戦苦闘しました。
失敗を繰り返す中で教育方法も試行錯誤を繰り返し教育中にもいろいろ変化させていきました。その結果、新人者に「わかりやすい!」や「理解できました!」と言われる教育方法を見付けることができました。
楽しそうに笑顔で仕事をしている姿を見ると上手くいってると思います。その教育方法は3つの項目と9つの手順です。
Contents
アドラー心理学の考えを使った新人教育の3つの項目と9つの手順
少しだけアドラー心理学の考えを使い信頼関係を深めることに重きを置いただけなので誰でも簡単に真似することができます。これから新人者教育をされる方の参考になれば嬉しいです。
手順1:打ち解け信用を得る
- 明るく元気な挨拶
- 積極的に会話
- 相手の気持ちを汲み取る
信用とは「◯◯があるから信じますという条件付きの姿勢」。今回なら「この人と一緒だと楽しく仕事頑張れそう」と思わせることです。
明るく元気な挨拶
まずは第一印象が大切です。挨拶の声が小さかったら暗く元気がない後ろ向きな印象を与えてしまいます。大きな声で明るく元気な挨拶をすることでマナーの良い人、味方の意思表示などの好印象を与えます。それと「返報性の法則」により相手も明るく元気な挨拶をするようになります。
自分の先輩や上司が暗かったら嫌ですよね?明るくウルサイぐらい元気があるほうが一緒にいてても楽しいです。
※返報性の法則とは、人から何かをされたときに「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用。
積極的な会話
コミュニケーションを取る上で重要なのが会話です。仕事の事務的な会話ではなく相手との距離を縮める為の会話をしてください。その為には相手に喋って貰う、相手の話を聞く、相手の話の邪魔をしないように気を付けて相手を少しでも「楽しい」と思わせることが大切です。
それだけでコミュニケーションは成功です。そして、相手の話に相づちや共感で距離を縮めましょう。相手の話を否定するのは絶対ダメです。縮めるどころかあなたを拒否されてしまいます。
『話す力』。その会話に「笑い」があれば尚良し。「笑顔=楽しい」になるので自分に話す力があれば もっと相手のこころの扉を開けることが出来ます。少しずつ会話をして相手の好きな話を早く見つけ盛り上げることが大切なので、自分から積極的に会話をしていきましょう。
相手の気持ちを汲み取る
相手の立場や気持ちになって考えて行動しましょう。新人者は初めての職場で緊張しています。慣れない雰囲気で分からないことだらけ。その時に指導者である自分がどれだけ新人者の気持ちになれるかがポイントです。
今何を考えているのか?を考え、それに合った行動をすることで少しずつ相手の緊張やこころの扉が開いてくれます。相手の表情、姿勢、態度を良く観察し相手の気持ちを汲み取りましょう。
相手目線になって寄り添った行動をして、まずは信用を得るように努力しましょう。
信頼関係を築く
- 気を緩めない
- 褒める指導
- ミスをカバーする
信頼とは「人を信じるにあたって一切の条件を付けない」という姿勢。無条件に人を信じること。今回なら「教育者の私を信じてもらうこと」です。
気を緩めない
新人が出来たからといって調子に乗らないようにしましょう。新人が出来たからこそ気を引き締めて普段からの行動に気を付けてください。
また新人の悪口を言わないようにして下さい。どこで誰に聞かれているか分かりません。本人の耳に入ったら信用も信頼も何もありません。
褒める指導
新人者は分からないことだらけでミスをするのは当然です。ベテランであってもミスをします。寛容な心でミスをするのが普通だと思ってください。ミスを怒るのではなく上手くいったときに最高の褒め言葉を掛けてあげましょう。
私は「新人のうちにミスをしてください」と言ってます。それは何故か?研修中ならミスをしても指導者の責任です。
研修終わると新人者の責任になってしまうので「責任は私が取るから今のうちにミスをしてください。」と伝えてます。指導者側からの意見だとミスを経験出来たら次から気を付けて仕事をするので研修の内にミスして欲しいです。
ミスをカバーする
信頼を得るためには新人者の役に立たないと得ることが出来ません。新人者がミスをするのは当たり前で、そのミスをカバーすることで信用が信頼に変わります。
失敗を上手くカバーして評価をあげましょう。ミスをした本人に励ましの言葉を掛けることが大切です。ミスをカバー出来るように日頃から仕事の知識や技術を身に付けるように努力をしましょう。
手順3. 信頼関係を深め尊敬される先輩・上司になる
- 愛情のある教育(優しすぎず厳しすぎない指導)
- 悩みや困難に一緒に向き合う
- 些細な気遣い
尊敬とは「その人を認めてついて行きたくなること」。今回なら指導者を信頼してついて行きたくなることです。
愛情のある教育
相手のことを想った教育です。褒めるだけではなく失敗したら怒り、上手くいったとこはしっかり褒めてあげてください。
上手くいくのが普通だと思わないこと。褒められて嫌な人はいません。褒められるようにもっと頑張るようになります。
厳しくもあり優しくもあり飴と鞭を使った指導で仕事レベルを上げ新人者のヤル気もあげましょう。
悩みや困難に一緒に向き合う
問題と一緒に向き合うことで信頼関係は深まります。新人者が悩んでいたらしっかり悩みを聞き、仕事のことで分からないことがあれば一緒に解決しましょう。
二人で何かを達成することで絆が出来ます。その絆はなかなか壊れることはありません。指導者と新人の仲を深めいつまでも信頼関係を継続するようにしましょう。
些細な気遣い
最後の行動です。最後にこれをすれば信頼から尊敬変わります。新人が気付かないところでバックアップしましょう。少しだけで良いので親切心で手助けをしてください。あまりの手助けは不必要です。
新人者もある程度、仕事ができ少しずつ自分に自信がついてきます。仕事内容にも慣れてくる頃です。あなたがしてきたバックアップに気付き感謝をします。その感謝が尊敬という関係に変えてくます。
番外編
仕事以外でコミュニケーションを取る方法
- ご飯を食べに行く
- 同じ趣味を持つ
- ユーモアある会話
これが出来れば相手との距離は一気に近くなります。ですが、最近では仕事とプライベートをしっかり分けている人が多いです。
ご飯に誘って断られると人間関係は微妙な感じになるので仕事外の飲み会などは誘わないようにしましょう。誘うなら仕事中のランチが良いと思います。
結論:自分から信じること
アドラー心理学では、報酬や見返りなどを一切考えないで無条件に信じることが、対人関係では大切だという考え方です。
人を信頼して裏切られるかもしれない。ですが、裏切る行為は相手の課題でそれは別の問題。自分から「信じたい」という気持ちが大切です。
自分を信頼してくれるか?裏切らないでいてくれるか?そんなことを考えて躊躇するより、まず自分が人を信じることから始めましょう。
「信頼」の対義語は「懐疑」です。人を信頼して裏切られるのが嫌だからと、対人関係の基礎に「懐疑」を置くとどうなりますか?
他者を疑い、友人を疑い、家族や恋人までも疑いながら生きていることになります。そこからは良好で前向きな対人関係は築けません。まずは「自分」から信じましょう。
以上。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
30代プロリーマンの”だんく”です。